きみにいいひ

主に読んだ本の備忘録。今日が君にとって良い日になりますように。

ダリの繭

ダリの繭

  

ダリの繭 (角川文庫) [ 有栖川有栖 ]

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感想(3件)

 

有栖川有栖先生の一冊目に選んだ本。

 

白井智之さんのデビュー作、『人間の顔は食べづらい』を

道尾秀介さんと一緒に絶賛したという有栖川先生の作品を読んでみたいなと前から思ってて、シリーズものの始まりっぽいこの作品からにしました。

 

どんな作風の先生なのかな、、とちょっとドキドキしながら手にしたのですが

ごく普通の…と言ったら語弊があるかもしれませんが、王道のミステリーでした。

 

道尾秀介さんや白井智之さんのように

ちょっとキツイ描写もあるのかなと思っていたら、別段そんなことはなかったです。

 

主人公は有栖川先生なのだけど、視点がどんどん変わっていって、自分でたくさんの視点から、あれ…?という部分を探し出すのは楽しかったです。

まるで主人公の作家有栖川先生になった感じ。

この感じは、白ゆき姫殺人事件と似てました。

 

実際、作品の中の有栖川先生は探偵の火村先生にくっついて、先頭に立って推理していく感じじゃなかったし。

 

次は『海のある奈良に死す』、か…

ん…?奈良って海無かったよね?

ちょっと気になってきました。

 

 

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村田沙耶香「コンビニ人間」

 

コンビニ人間 

 

コンビニ人間 (文春文庫) [ 村田 沙耶香 ]

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感想(21件)

芥川賞受賞で24か国語に翻訳。

なのにめちゃめちゃ薄いってところに興味を惹かれました。

 

実際170ページほどで、多分1時間ちょっとで読めちゃいました。

 

 

社会不適合者、いわゆるサイコパスの視点から書かれていて、

社会に溶け込める人(作者の言葉で「普通の人間」)からの視点で書かれると、まったく違った物語になるのだろうな、と。

 

普通、の人々の悪意のない感情、行動はこんなに怖いのか、と思いました。

どこか見下しているところもあるのでしょうが、

社会不適合者が、普通の人に対して、どうして?と思うのと同じように

悪意のない無邪気な感情で、どうして?と言ってしまう。

 

物語は、子どもの頃や大学生の頃の回想はあるものの、

初めから最後まで、主人公はまったく変わりません。

 

最近ミステリーを読むことが多かったわたしは、

中盤に差し掛かってくると、物語はいつ動くのだろうとうずうずし出したのですが

結局最後まで主人公が変わることはありませんでした。

 

主人公は、コンビニ店員として生まれた、と言っています。

 

途中、周囲が喜ぶからと、普通の人の殻をかぶる努力を本気で始めるのですが、

最後にはやっぱりコンビニに戻っていってしまいます。

コンビニのガラスの壁を、生まれたばかりの妹の赤ちゃんとであったガラスに例えて終わっているのも、彼女がコンビニ店員として生まれたことを強調していました。

 

世の中の人はすべて、普通の人を演じている、間違っていないような気がしました。

わたし達は、人として恥ずかしくないように就職する、世間の目を気にして結婚する。

 

それを目標としている人たちだけが、まるで立派な人であるかのように。

 

彼女は、自由を獲得するために一生を捧げる人の方が、苦しみに対して誠実だ。

と言っています。

 

世の中の人はみな多かれ少なかれ、苦しみなが現代人として生きているのだということをひしひしと感じるとともに

 

自分と違うということに疑問を持つことが、時に人を傷つけることを理解しないといけないと思いました。

 

同性同士の結婚を認める方向に動くなど、変化するこの世の中で、

選ばれるべくして選ばれたな、という一冊でした。

 

 

 

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公開中のドラマ「わたし、定時で帰ります。」を読んでしまった感想

3月に本屋さんで見かけたとき、一瞬で手に取ってしまった。

これ読みたい。

 

でも、帯に、4月からドラマをするとあったので、一旦は思いとどまる。

 

で、ドラマが始まった。

1回、2回、3回、4回…

やっぱり、読んでしまった。

 

当然、ドラマのネタバレ含みます。

 

ドラマが始まったときからほとんどの人はピンときたでしょう。

 

結衣は今カレを捨てて種田さんに行くぞ、と。

わたしからしても、今の時点で応援したくなるもんね、種田さん。

 

結論、まぁそうなるでしょう。

続編を読んでないから完全にヨリを戻すとこまではいってないですが。

 

わたしはもう種田さんファンなので気になって気になって。

多分今週中には続編読みます(笑)

 

でも、東京タラレバ娘のドラマみたいに、今カレがかわいそうな感じで

終わるんだろうなぁとしみじみしていたんですが

実はそうじゃなかったのが救いかな。

 

でも、浮気してくれてよかったよ。

結衣も悪者にならずに済んだし。

 

で、会社の方だけど福永さん。

本だと最悪ですね。

まぁ、人間味はあるけど。

 

ドラマでもこれから頭角を現してくるのか…??

 

初回から不穏な空気を醸し出してはきてたけど、

仕事してないだけでまぁまぁいい人だもんな。

 

ほとんど福永さんのせいで残業しなくちゃならなくなった結衣。

孤独になりたくない仲間と迫る納期…

追い込まれながらも最後にはスカッと解決してくれます。

 

痛快なお仕事小説でした。

 

結局読むならドラマみる前に読めばよかったぁ(涙)

まぁ、種田さんかっこいいので、これからもみますよ、期待です*♪ 

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